年収面やお互いの価値観が合わないなど、さまざまな問題によって婚姻率が低くなっていく中でも、結婚を望む人は多いです。マッチングアプリが普及した時代でも、仲人を通してお見合いをし、結婚を目指すために結婚相談所を利用する方も多くいます。
「プラスKOU」もそのひとつで、福岡市天神と福岡県古賀市を中心に、お見合いや婚活パーティーなどを提供する結婚相談所です。代表の中西厚喜(なかにし こうき)さんは、前職で友人の結婚を見届けたことをきっかけに、27年間続けていた飲食事業から結婚相談所の事業に転身しました。
和歌山県で生まれ育った中西さんは、小学生の頃から柔道が得意で、社会人になってからは、大阪にある卒業アルバムなどを制作するアルバム制作会社に、柔道の事業団として入社しました。
「一時期はオリンピックを目指していましたが、一流、二流にも及ばず、入社した会社の実業団としても柔道で食べていけないと感じたので、1年で辞めました」

その後、中西さんは、父親が和歌山県で経営する人形製造会社に転職し、観光地を巡りながら商品である人形を販売・営業するため、福岡県へ移住します。
「観光地のほか、ゲームセンターの景品の人形を製造販売していましたが、営業に苦戦していました。高速サービスエリアで販売業務をしている知人ができて、その後独立しました。」
株式会社中西を設立した中西さんは、福岡県古賀市のサービスエリア上下線に店を構え、焼ちくわや焼き鳥を販売する飲食事業を展開し、27年間経営してきました。

「ある日、私の友人と飲みに行った時に『結婚したいから、誰か紹介してくれないか?』と相談され、私の従業員の友人を紹介したのが、すべての始まりです。」

その後、友人から毎晩のように相談を受けたり、従業員経由で相手から探りを入れられたりと、実質的に仲人のようなことをしていた中西さんですが、意外にも嫌だとは感じていなかったと語ります。
「1年半後に友人は結婚し、すごく喜ばれているのを見たら私も楽しく感じました。世の中にはこのような仕事もあるのだと思い、その出来事をきっかけに結婚相談所を立ち上げる事にしました。」
自身の年齢やサービスエリアの改築といった要因が重なり、飲食事業を閉業して、2019年に「結婚相談所 プラスKOU」としてスタートします。

福岡市天神と古賀市を中心に結婚相談所として事業を展開しているプラスKOUですが、結婚相談所プラットフォームを提供する大手企業の加盟店であるため、福岡県以外の日本全国でのマッチングも可能だと中西さんは語ります。
「会員とのやり取りは主にLINEなどで行いますが、返信速度は他社に比べて速いというのが一番の売りです。また、会員のシチュエーションに合わせて、その方に合った婚活が出来る、『オーダーメイドプラン』もおすすめしています。」

プラスKOUでは、結婚相談所の基本的なサービスを受けられる「スタンダード」に加え、コミュニケーション能力の向上やファッションチェックなど、会員の要望をヒアリングし、それに合わせてカスタマイズした最適な婚活を提供する「オーダーメイドプラン」を用意しています。

「コミュニケーションが苦手な方には、「どうも、ありがとう」のような、単語やシンプルな会話でも良いから喋れる人を少しずつ増やして慣れていき、反応があれば、さらに会話を伸ばすようにと伝えています。」
お見合い本番でなるべく緊張しないよう、コミュニケーションのトレーニングはホテルのラウンジで行い、練習を通して会話が楽しいと感じ、自信を持てるようになった会員もいると中西さんは語ります。
「当会員は男女に限らず、「恋愛の仕方や相手の探し方がわからない」という方がほとんどです。」

年収や職業を見てもハイスペックな男性会員がおり、お見合いの予定も決まっていくものの、本人から「自分は今まで女性を好きになったことがない」と伝えられ、相手を探すのに苦労したこともあったそうです。
「皆さん真面目な方が多いので、理想を求めるために融通がなかなか効かない事も多くあります。」
結婚相談所を利用する会員の割合は、プラスKOUに限らず、男性40%、女性60%と女性会員の方が多いそうです。男性が入会を渋る理由としては「年収が低いと感じている」ことが挙げられる一方で、女性は自分に自信を持つ方が多いため、会員が増えていると中西さんは語ります。

「割合的に見ても、結婚できない男性がほとんどの中で婚活する女性が圧倒的に多く、上手くマッチングできない問題点があります。」
結婚は相手と一生添い遂げることになるため、可能であれば自分の条件に合った方を探したいところですが、中西さんは「結婚とは自分が選んでできるものではなく、相手に選ばれた後で初めて、自分が好きかどうかを判断し、成立する」と会員に伝えています。
「『私の理想は高いですか?』と会員に良く聞かれますが、99%高い方がほとんどです。100%の理想の方に出会えることは無いので、等価交換と同じでお互いの年収や年齢、学歴が同等である方が、結婚しやすくなると考えています。」

プラスKOUの信念は「出会いは奇跡」で、「ひとつの出会いを大切にすれば、その後の出会いが生まれる」。そのため、たとえ良い出会いがなかったり、気持ちが沈んでいたとしても、「笑っていなさい」と会員に伝えていると中西さんは語ります。
「出会いがなくても笑顔でいれば、どんどん自分に向いてくるものがあります。出会いとは、ニコニコしない人にしか人は寄りつきません。」

年収や職業の面でハイスペックな人は冷たいイメージがあると感じていた中西さんですが、とあるハイスペック同士のカップルの話がとても印象に残っていると語ります。
「私の女性会員を含め、相手の方も恋愛経験が無かったのですが、無事交際まで発展することが出来ました。しかし、ある日の夜に女性の方から『相手の事が好きすぎて不安です』と泣きながら電話が来て、こんな話があるのかと思いました。」

「ハイスペックな男性は、他にも好きな人がいるのではないか?」と不安に駆られる女性会員の話を聞いた翌日、相手の仲人に連絡すると、男性の方も「同じ気持ち」と伝えられ、晴れて3か月後に成婚しました。
結婚相談所を経営する中西さんにとって、会員が成婚する喜びはもちろんのこと、結婚後の近況報告や子どもが生まれたという連絡をもらうことが、最も嬉しいことだと語ります。
「この仕事は『幸せを分けてもらってる』ような気分になれるので、一番嬉しいです」

会員の悩みを聞き、サポートを続けていくうちに、「親心のような感情が生まれる時がある」と語る中西さん。
「お見合いが上手くいかない時は、『この子はとても良い子なのに、なぜ分かってくれないのだろう?』と会員さん以上に悔しく感じることもあります。」
会員は中西さんに頼って話すことが多く、そのたびに中西さんの心に残るそうです。会員が無事に成婚し、「KOUさんのおかげです」と感謝されることもあり、それがこの仕事を続ける原動力になっているそうです。

手厚いサポートもプラスKOUの特色で、親身な支援を通じて「婚活に悩む人をゼロにする」ことを目標に、事業を続けていきたいと中西さんは語ります。

卒業アルバムを制作するアルバム会社から、人形製造会社、飲食事業と、さまざまな業種を渡り歩いてきた中西さん。
「アルバムを見たときの笑顔」「人形と遊ぶ笑顔」「美味しいと言ってくれる笑顔」、そして「結婚相手をつなげたときの笑顔」。業種は違っていても、「人をつなぎ、笑顔にする」という仕事は変わらないと語ります。
「結婚相談所の仕事をしてから一番喜んでいるのは奥さんで、『毎日話す一言一言っが、昔とぜんぜん違う』と言われました。」
前職の飲食事業では、経営を続ける責任感や従業員を守るプレッシャーが日々あり、顔の表情が威圧的になることが多く、精神的に辛い思いをしました。
「今の仕事は『会員を結婚させたい』、『会員が望む相手を見つけてあげたい』という想いが強いです。年収の不安よりも、楽しいと感じているので私に合っていると思います。」

今の仕事は前職に比べて収入が大幅に減ったものの、結婚相談所から得られるものが多く、とても楽しく充実感があるそうです。
中西さんはプラスKOUの今後の展望として、日本全国でのサポートに加え、カフェなどを借りて毎日のように婚活パーティーを開催し、「結婚ができる」出会えるカフェを作るという夢を実現したいと語ってくれました。
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