子育て世代が働きやすい訪問看護ステーションを糸島で展開。株式会社グラスフィールズの草野浩さん

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2026年7月17日 公開2026年7月15日 更新
子育て世代が働きやすい訪問看護ステーションを糸島で展開。株式会社グラスフィールズの草野浩さん

福岡県糸島市を中心に訪問看護・リハビリテーション事業を展開する株式会社グラスフィールズ。同社が運営する「訪問看護リハビリテーションよもぎ」は、「これからも この家で この街で」をモットーに、在宅での医療・介護サービスを提供しています。

代表取締役の草野浩(くさの ひろし)さんは理学療法士、管理者を務める妻は看護師という夫婦ペアで、6年前にこの事業をスタートさせました。 生まれつき脊椎に変形を抱え、自身も長年リハビリテーションを受けてきた経験を持つ草野さんは、在宅でのリハビリテーションに関心を持ち起業に至りました。

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自身の体験が導いた理学療法士への道

草野さんが医療の道に進んだ背景には、自身の身体的な体験がありました。

「私は脊椎の方にちょっと変形を持って生まれました。その関係もあって、腰痛との戦いを子どもの頃からずっとしてきました。リハビリテーションを受ける中で、将来は少しでも運動をしている子どもたちが、いち早く競技に復帰できるようにしたいという憧れを持っていました」

子どもの頃から運動に親しみ、中学まではサッカー、高校ではラグビーに打ち込みましたが、大学1年時に腰の手術が必要となり競技を断念。大学2年生から夜間で柔道整復師の資格を取得し、卒業後は接骨院で働きました。 接骨院では痛みを伴う患者さんが多い中、麻痺や怪我だけではない方がいることを知り、草野さんは理学療法士を目指します。

資格取得後、山梨の病院で経験を積む中で、在宅でのリハビリテーションへの関心が芽生えました。

「人生の中で一番長く生活するのは病院ではなく、自宅です。患者さんの中でも病院よりも自宅で過ごしたいという方が多かったので、在宅でのリハビリにすごく興味を持ちました」

この発見が起業への原動力となり、2019年に株式会社グラスフィールズを設立しました。

夫婦で立ち上げた「よもぎ」の理念

株式会社グラスフィールズが運営する「訪問看護リハビリステーションよもぎ」は、草野さんが理学療法士、妻が看護師という夫婦の専門性を活かした訪問看護ステーションです。

「『よもぎ』という言葉の中には、万能薬っていう意味がありまして、『どこにでも生えてるけども、何かあった時には治療にも使える』という『地域に根差した医療』の願いを込めて、この事業所名にしています」

現在40代から100歳を超える方まで約80人の利用者にサービスを提供し、介護保険・医療保険双方に対応しています。小児麻痺やALSなどの難病を抱える方から、認知症や身体機能の低下した高齢者まで、幅広いニーズに応えています。

「当事業所では、看護師と理学療法士の夫婦が運営していますので、より強いネットワークで動けるとは思っています。職場としても、看護師の立場やリハビリの立場からも、しっかりと話し合いができるような体制です」

訪問看護リハビリステーションよもぎは、糸島市を中心として福岡市西区まで訪問エリアを広げています。

コロナ禍での創業と信頼関係の構築

事業所の開設は、新型コロナウイルス感染症が拡大し始めた時期と重なりました。

「コロナ禍の始まりの時期に開設をしていますので、電話やハガキでしか営業ができない時期が結構長く続いてました。この業界は主に人の紹介で成り立つ仕事なので、信頼関係を築く必要がある中で、対面での営業ができなかったのは大変でした」

最初の利用者との出会いは印象深いものでした。「がん末期の方でした。女性の方でしたね」と草野さんは振り返ります。その方への集中的なサポートが信頼関係を築き、紹介による利用者の拡大につながりました。

「その方にすごく集中して対応させていただいて、信頼してもらえたのかなとすごく感じた仕事でした。その後徐々にうちにお仕事をいただけるようになって、一軒一軒地道に利用者さんを増やしていくことができました」

家族の時間を大切にする働き方

株式会社グラスフィールズの特徴的な取り組みの一つが、子育て世代が働きやすい環境づくりです。

「子育て世代の方達が多く働いています。当社では8時45分始業、17時15分終業と少し早めに設定し、子どもに対して、時間が持てるように工夫しています」

この働き方の背景には、夫婦で事業を立ち上げた際の思いがあります。

「私達夫婦は家族との時間をしっかり取りたいと考え、会社を設立しました。従業員に対しても、同じように『人生は仕事だけではない』ことを感じてほしいと思い、このような働き方にしています。

以前は子どもの行事に出られなかったり、病児保育に預けることが多かった職員も、会社ではなるべくフォローすることを心がけることで、子どもに対して時間を割けるようになったと話します。

「お互いにフォローし合うスタッフが多いので、僕らから『代わってください』と言わなくても、自分たちで『代わりましょうか』という会話が出る、良い雰囲気になっていると思います」

訪問看護業界の課題と展望

訪問看護業界は深刻な課題を抱えています。草野さんは人手不足が最大の問題だと指摘します。

「この業界では、『オンコール』という、何かあったら利用者が電話をかけて我々が対応するという24時間体制の業務があります。スタッフには精神疲労がかなりあるので、人材定着が難しいです』

さらに診療報酬面での改善が進まないことから給与の上昇率も低く、業界全体の課題となっています。

一方で、在宅生活において介護士への注目は高まっているものの、医療面でのサポートの重要性がなかなか理解されていないと草野さんは感じています。

「在宅生活の中で、何かあった時に対応できるのは私達医療従事者であるところが大きいので、国はもっとその必要性について考えていただけると嬉しいですね」

「これからも この街で この家で」の実現に向けて

会社が掲げるモットー「これからも この街で この家で」には、在宅で最後まで過ごしたいという利用者の願いを支えたいという思いが込められています。

「病院で最期を迎えるよりは、『自分の生まれ育った街で最後まで過ごしたい』という希望は、糸島市に限らず、全国で多くの方が持っていると思います」

現在、事業所としては地域の医療機関からの信頼を得てきたと実感している草野さんですが、さらに糸島市の地域医療にしっかりと根ざした訪問看護を目指しています。

「『よもぎ』の名前のように万能薬として、どんな方にでも対応できる事業所に育てていきたいです」

今後は従業員を増やして拡大していく予定ですが、急激な拡大よりも一人一人が質の高いよもぎのスタッフとしての成長を重視しています。 草野さんにとって最も嬉しい瞬間は、利用者や家族からの感謝の言葉です。

「利用者さんや家族の方から『ありがとう』って言葉をもらえた時、やっぱり一番嬉しいですね。感謝されるってすごく難しいことだと思うので、感謝の言葉がもらえるのは、『私達がしてきたことが認められた』と思える瞬間だと感じています」

自身の身体的体験から始まった草野さんの医療への関心は、今では糸島市という地域に根ざした在宅医療として実を結んでいます。「よもぎ」という名前に込められた万能薬への願いのように、地域で必要とされる事業を提供し続けています。

株式会社グラスフィールズ | 訪問看護リハビリステーションよもぎ

グラスフィールズロゴ
  • 設立2019年
  • 代表取締役草野 浩
  • 所在地糸島市前原中央3丁目3番3号
  • 電話番号092-332-0333
  • メールアドレスyomogi2019@yahoo.co.jp
  • ウェブサイトyomogi2019.wixsite.com/yomogi

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